2003/7/2 毎日新聞 地域パーク 月刊タウン情報おかやま「酒のみむら 岡山の地酒を活気づける人々 PART2」掲載
純米醸造の「天恩酒 温羅」音楽と同じ心に残るもの というタイトルで紹介いただきました。以下記事転載。
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地酒とは、地の米と水を使って地の人に飲ませるために醸されるもの。気候風土に恵まれた岡山は、うまい地酒を作る条件全てを満たしながら、 その知名度は実に低い。だが、この危機的な状況を打破しようと、独自に活動、発信し続ける人が増えているという。そんな彼らの取り組みに、 スポットを当ててみたい。(阿部悦子)
 吉備路に程近い岡山市西部、加茂地区にある酒販店「酒のみむら」。「安全でおいしいお酒と食のある生活」をテーマに、 10年以上前から生命力のある素材のすばらしさに目をつけ、店内には自然食品をはじめ、純米・純米吟醸といった悪酔いしない、 今飲んでおいしい酒を中心にラインナップしている。
 利き酒師でもある店長の三村勝則さん(43)は、91年に家業の酒販店を引き継いだ。日本酒はあまり好きではなかったが、夫婦で九州を旅した折、 居酒屋で出会った大吟醸酒が三村さんの観念を変えた。それから岡山県内の蔵元巡りをするうちに、たくさんのおいしいお酒があるのに、 なぜ岡山の人に飲まれないのかと疑問に思うようになった。そのひとつがPR不足だ。新潟の酒がウケるのは雪深いイメージに合った酒質だからである。 ならは、岡山の気候風土に合った酒質、PR法があるのではないか。きれいで端麗な酒ではなく、米の力を引出した酒。くどさのない、うまい食中酒を作りたい。 新潟の酒にも匹敵する岡山の酒を、全国に向けて発信したいと言う気持ちがどんどん高まっていった。  94年、ついに念願かない、「天恩酒 温羅」を発売。県内の蔵元の協力を受け、合鴨農法による無農薬栽培米で仕込んだ自然酒。 もともと、妻の佳代子さんが自然食品に関心が深く、店でそれらを扱うようになったのがきっかけだ。「最初からいいものを造りたければ、 素性がよくなくてはいけない。それが例えば農薬を使わないということ。素肌美人っていうことでしょ?米そのものの味を生かすには当たり前のことなんです」 昔話の桃太郎のルーツと言われる「温羅伝説」にあやかったネーミング。インパクトのある力強いラベルは、書道家、国代峰泉さんに書いてもらった。 現在は、岡山市一宮にある板野酒造場で、杜氏の板野雄一郎さんとともに仕込んでいる。米や酵母の選定から仕込み、搾りまですべて三村さんはかかわっているが、 そこに醸造アルコールを加えたりはしない。米と麹だけで造られる純米こそ日本酒の伝統的技法、と考える三村さんにとっては当たり前のこと。 ごまかしがきかないぶん、純米醸造はその蔵の実力が問われるが、酒販業である三村さんの情熱は、そのまま「温羅」の味わいに表れている。
 現在の「温羅」に使用する岡山原産の雄町米は米が溶けやすく、味が多くなりがちだが、県外の蔵が扱うとまるで違う酒質になるという。 そんな違いを知って欲しいと開催しているのが「本物の日本酒を味わう会」。その名の通り、純米、純米吟醸、純米大吟醸などをそろえ、料理との相性を楽しむもの。 岡山の酒を知るには、他県の酒を知ることが重要と、同じ米で造られたさまざまな酒を用意する。
 ジャズライブを定期的に開催するミュージシャンとしての横顔を持つ三村さん。「酒は音楽と同じ。いさぎよいきれいさ、心に残るものです。 お客さんに、あの酒はよかったなあ、と言われるような酒造りを目指しています」という。「酒のみむら」の配達車には、「岡山人にだけ呑ませたい」 というコピーが大きく書かれている。
 
毎日新聞「全国酒だより」掲載
「安全な食と酒」にこだわり/岡山 というタイトルで紹介いただきました。
新聞紙面(画像)ウェッブに掲載「全国酒だより」